臨床 トリグリセライドが正常でもレムナント様リポ蛋白コレステロールが高値であれば冠動脈疾患のリスクである

冠動脈造影を施行した208例で, LDL-コレステロール(LDL-C),HDL-コレステロール(HDL-C),トリグリセライド(TG),レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C),リポ蛋白-(a),尿酸,血糖,tissue plasminogen activator(t-PA),t-PA inhibitor type 1(PAI-1),antithrombin III,protein Cを測定した.TG値が150mg/dl以上の高TG群(59例)とそれ未満の正TG群(149例)に分け,有意狭窄の有無に対する各因子の予測値としての意義が異なるかを検討した.LDL-CとHDL-Cは,全患者で...

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Published in心臓 Vol. 31; no. 11; pp. 761 - 767
Main Authors 中野, 赳, 川崎, 敦, 伊藤, 正明, 尾崎, 守宏, 新谷, 宇一郎, 益岡, 弘司, 亀井, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1999
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.31.11_761

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Summary:冠動脈造影を施行した208例で, LDL-コレステロール(LDL-C),HDL-コレステロール(HDL-C),トリグリセライド(TG),レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C),リポ蛋白-(a),尿酸,血糖,tissue plasminogen activator(t-PA),t-PA inhibitor type 1(PAI-1),antithrombin III,protein Cを測定した.TG値が150mg/dl以上の高TG群(59例)とそれ未満の正TG群(149例)に分け,有意狭窄の有無に対する各因子の予測値としての意義が異なるかを検討した.LDL-CとHDL-Cは,全患者での検討でも,正TG群のみでの検討,高TG群のみでの検討でも,狭窄群と非狭窄群で有意な差を認めた.これに対し,RLP-Cは正TG群では狭窄群と非狭窄群で有意な差を認めた(p=0.0116)にもかかわらず, 高T G 群では差を認めなかった( p =0.7357).正TG血症で冠動脈病変を有する例ではRLP-Cが高値といえる.TG値測定では予測できない冠動脈疾患の危険群を,RLP-Cで検出できる可能性があり,冠動脈疾患の危険因子としてのTGの意義をRLP-Cが補完できることが考えられる.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.31.11_761