第2回 不整脈薬物治療フォーラム 発作性心房細動および持続性心房細動除細動後の洞調律維持に対するACE阻害薬,ARBの有用性

発作性心房細動(PAF)および持続性心房細動症例のうち,抗不整脈薬によって洞調律維持を試みた251例を対象に,I群抗不整脈薬およびベプリジルの洞調律維持効果に対するARBまたはACE阻害薬(ARB/ACE阻害薬)の併用効果を後ろ向きに検討した.PAFに対する有効率は,I群抗不整脈薬にARB/ACE阻害薬を併用すると非併用群に比し有意に高く,ベプリジルとI群抗不整脈薬の併用群およびベプリジル単独群では高い傾向が認められた.一方,持続性心房細動においてもARB/ACE阻害薬を併用すると,I群抗不整脈薬使用群では洞調律維持率が有意に高く,ベプリジル群においても洞調律維持率は高い傾向が認められた.これ...

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Published in心臓 Vol. 37; no. 9; pp. 796 - 797
Main Authors 永島, 正明, 小泉, 章子, 櫻田, 春水, 谷井, 博亘, 手島, 保, 平岡, 昌和, 水澤, 有香, 辰本, 明子, 小宮山, 浩大, 伊藤, 晋平, 山口, 博明, 岡崎, 英隆, 酒井, 毅, 呉, 正次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2005
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.37.9_796

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Summary:発作性心房細動(PAF)および持続性心房細動症例のうち,抗不整脈薬によって洞調律維持を試みた251例を対象に,I群抗不整脈薬およびベプリジルの洞調律維持効果に対するARBまたはACE阻害薬(ARB/ACE阻害薬)の併用効果を後ろ向きに検討した.PAFに対する有効率は,I群抗不整脈薬にARB/ACE阻害薬を併用すると非併用群に比し有意に高く,ベプリジルとI群抗不整脈薬の併用群およびベプリジル単独群では高い傾向が認められた.一方,持続性心房細動においてもARB/ACE阻害薬を併用すると,I群抗不整脈薬使用群では洞調律維持率が有意に高く,ベプリジル群においても洞調律維持率は高い傾向が認められた.これらの結果から,心房細動症例の抗不整脈薬による洞調律維持効果は,ARB/ACE阻害薬の併用により改善する可能性が考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.37.9_796