研究 狭心症における血清Dopamine-β-Hydroxylase活性について

血清Dopamine-β-Hydroxylase(DBH)活性は交感神経活動の指標になりうると考えられるが,狭心症におけるこのDBH活性に関する報告は見あたらない.狭心症患者3例において,発作中および発作後1時間目に血清DBH活性を測定し,非発作時の基礎活性値と比較検討した結果,発作時には16%から50%のDBH活性の上昇が認められた.しかも発作直前に測定し得た症例でも,非発作時に比しすでに8%の上昇を示していた.これは狭心症発作時には交感神経系が異常に興奮していることを意味するのみならず,Catecholamineの遊離が発作発現の誘因的役割をはたしている可能性を示唆するものである.また,狭...

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Published in心臓 Vol. 9; no. 12; pp. 1057 - 1061
Main Authors 渡辺, 一央, 土井尻, 健一, 高橋, 栄司, 菅原, 啓子, 荘, 恵珠, 本田, 慶一郎, 前川, 滋, 本間, 博, 小沢, 正人, 小原, 進, 木村, 武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1977
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.9.12_1057

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Summary:血清Dopamine-β-Hydroxylase(DBH)活性は交感神経活動の指標になりうると考えられるが,狭心症におけるこのDBH活性に関する報告は見あたらない.狭心症患者3例において,発作中および発作後1時間目に血清DBH活性を測定し,非発作時の基礎活性値と比較検討した結果,発作時には16%から50%のDBH活性の上昇が認められた.しかも発作直前に測定し得た症例でも,非発作時に比しすでに8%の上昇を示していた.これは狭心症発作時には交感神経系が異常に興奮していることを意味するのみならず,Catecholamineの遊離が発作発現の誘因的役割をはたしている可能性を示唆するものである.また,狭心症患者6例においてMaster二重負荷試験を施行した結果,負荷後の血清DBH活性は負荷前に比し,全例において上昇し,その上昇率は8%から23%であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.9.12_1057