地域における一般住民のロコモティブシンドロームの実態

本研究は,地域住民のロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)のリスクを明らかにすることで,実態に適した予防策について検討することを目的とした。21歳から89歳の426名を対象に,日本整形外科学会の提唱するロコモ度テスト(立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25)を実施した。対象の46.5%がロコモのリスクを有しており,20歳代では12.5%が該当していた。注目すべき点として,20歳代から40歳代の男性でロコモに該当する者は,運動器機能を評価する「立ち上がりテスト」や「2ステップテスト」ではなく,運動器の自覚症状を評価する「ロコモ25」で該当していた。ロコモ25を詳細にみると,ロコモ該当者...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 23 - 29
Main Authors 鶴田, 来美, 本部, エミ, 藤井, 良宜, 田村, 宏樹, 吉永, 砂織
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 28.04.2022
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.31.1_23

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Summary:本研究は,地域住民のロコモティブシンドローム(以下,ロコモ)のリスクを明らかにすることで,実態に適した予防策について検討することを目的とした。21歳から89歳の426名を対象に,日本整形外科学会の提唱するロコモ度テスト(立ち上がりテスト,2ステップテスト,ロコモ25)を実施した。対象の46.5%がロコモのリスクを有しており,20歳代では12.5%が該当していた。注目すべき点として,20歳代から40歳代の男性でロコモに該当する者は,運動器機能を評価する「立ち上がりテスト」や「2ステップテスト」ではなく,運動器の自覚症状を評価する「ロコモ25」で該当していた。ロコモ25を詳細にみると,ロコモ該当者の多くが身体の痛みを有し,日常的に生活動作に困難を感じながら,将来歩けなくなることに不安を抱いていた。このことから,ロコモの予防には,若い世代からの介入やロコモの気づきを促す機会を提供することの必要性が示唆された。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.31.1_23