症例 慢性期に心房リードの穿孔を起こした永久ペースメーカー植え込みの1例

慢性期に外傷を契機として心房リードの穿孔を起こした永久ペースメーカー植え込み例を経験したので報告する.症例は70歳女性で,63歳蒔に完全房室ブロックを指摘され,68歳時にtorsades de pointes(TdP)によるAdams-Stokes発作を起こすようになり当科入院した.完全房室ブロック,徐脈によるQT延長のためDDDペースメーカーを植え込んだ.70歳時にパーキンソン症候群による歩行障害にて転倒し,左肩を強打した後より全身浮腫と呼吸困難が出現し近医入院した.心不全にTdPと肺炎を合併し当科転院となったが,心房のペーシング不全,センシング不全が認められた.呼吸不全加療中にTdP,VF...

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Published in心臓 Vol. 27; no. 2; pp. 163 - 167
Main Authors 夏目, 隆史, 高安, 徹雄, 中山, 敏夫, 藤川, 日出行, 島田, 和幸, 井岡, 達也, 斎藤, 建, 金井, 信行, 関口, 弘道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1995
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.27.2_163

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Summary:慢性期に外傷を契機として心房リードの穿孔を起こした永久ペースメーカー植え込み例を経験したので報告する.症例は70歳女性で,63歳蒔に完全房室ブロックを指摘され,68歳時にtorsades de pointes(TdP)によるAdams-Stokes発作を起こすようになり当科入院した.完全房室ブロック,徐脈によるQT延長のためDDDペースメーカーを植え込んだ.70歳時にパーキンソン症候群による歩行障害にて転倒し,左肩を強打した後より全身浮腫と呼吸困難が出現し近医入院した.心不全にTdPと肺炎を合併し当科転院となったが,心房のペーシング不全,センシング不全が認められた.呼吸不全加療中にTdP,VF出現し死亡した.剖検にて心房リードの右心房壁穿孔を認めた.経過より外傷を契機としたリードの心房壁穿孔と考えられ,病理所見等報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.27.2_163