症例 肺動脈血栓除去術後に難治性胸水をきたした滲出性収縮性心膜炎の1例
症例は61歳男性,急性肺塞栓症のため肺動脈血栓除去術と右下肢深部静脈血栓除去術を施行した.約2週間後右胸水が出現し,以後胸腔ドレナージを3回施行した.その後も胸水が貯留し,労作時呼吸困難もきたしたため,約5カ月後に入院となった.心嚢水の貯留も認められ,当初,心膜切開後症候群を疑ったが,心嚢ドレナージ前後の圧測定で滲出性収縮性心膜炎と診断した.心膜,心外膜切除術を施行して軽快した.患者はループスアンチコアグラント陽性で抗リン脂質抗体症候群と考えられた.肺塞栓に対する術後の滲出性収縮性心膜炎はまれであり報告する....
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Published in | 心臓 Vol. 33; no. 7; pp. 603 - 608 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2001
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.33.7_603 |
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Summary: | 症例は61歳男性,急性肺塞栓症のため肺動脈血栓除去術と右下肢深部静脈血栓除去術を施行した.約2週間後右胸水が出現し,以後胸腔ドレナージを3回施行した.その後も胸水が貯留し,労作時呼吸困難もきたしたため,約5カ月後に入院となった.心嚢水の貯留も認められ,当初,心膜切開後症候群を疑ったが,心嚢ドレナージ前後の圧測定で滲出性収縮性心膜炎と診断した.心膜,心外膜切除術を施行して軽快した.患者はループスアンチコアグラント陽性で抗リン脂質抗体症候群と考えられた.肺塞栓に対する術後の滲出性収縮性心膜炎はまれであり報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.33.7_603 |