臨床 重症高血圧症におけるCa2+拮抗剤nifedipine とangio-tensin I 変換酵素阻害剤captoprilの急性降圧効果の比較検討

Nifedipine 10mgあるいはcaptopril 100mg内服による急性降圧効果と安静時血漿レニン活性(PRA) , 循環血漿量(PV)との関係を15例の重症高血圧症患者で比較検討した.Nifedipineでは15例全例で,captoprilでは1例を除く14例で10%以上の降圧が得られ,その降圧程度は内服後30分の時点ではnifedipineの方が大きかったが,4時間の経過中,他の時点では有意差は認めなかった.またnifedipineの最大降圧効果とPRAとの間には有意な関係は認めなかったが,PVが少ないほど大きな降圧が認められた(r=+0.71;p<0.005).Capto...

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Published in心臓 Vol. 13; no. 2; pp. 201 - 208
Main Authors 小嶋, 俊一, 宇多, 雅信, 黒田, 一明, 伊藤, 敬一, 中川, 雅博, 上原, 茂弘, 土屋, 雅之, 木村, 玄次郎, 夏目, 隆史, 岡本, 光師, 坂口, 明, 阪本, 登, 池田, 正男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1981
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.13.2_201

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Summary:Nifedipine 10mgあるいはcaptopril 100mg内服による急性降圧効果と安静時血漿レニン活性(PRA) , 循環血漿量(PV)との関係を15例の重症高血圧症患者で比較検討した.Nifedipineでは15例全例で,captoprilでは1例を除く14例で10%以上の降圧が得られ,その降圧程度は内服後30分の時点ではnifedipineの方が大きかったが,4時間の経過中,他の時点では有意差は認めなかった.またnifedipineの最大降圧効果とPRAとの間には有意な関係は認めなかったが,PVが少ないほど大きな降圧が認められた(r=+0.71;p<0.005).Captoprilの最大降圧効果はPRAが高いほど大きい傾向が認められたが(r=-0.72;p<0.005),PVとの間には有意な関係は得られなかった.血行動態的に,nifedipineの降圧は強力な末梢血管拡張作用によると考えられたが,captoprilのそれは, 典型的血管拡張作用によるものではなく,他の何らかの因子の関与が考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.13.2_201