研究 高血圧患者におけるEnalapril長期投与の心肥大退縮と血圧日内変動に及ぼす影響
降圧薬を服用していない左室肥大を有する本態性高血圧症患者19例を対象として,携帯型自動血圧計にて24時間血圧を測定し,24時間,日中(6:00-19:30),夜間(20:00-5:30)の収縮期および拡張期血圧の平均を求めた.また,Mモード心エコーにて左室重量係数等を算出し,これらと24時間血圧との関係を調べた.さらに,対象19例のうち男性13例に対し,enalaprilを長期投与し,6カ月間投与を受けた10例を対象に,再び24時間血圧測定とMモード心エコーを施行,心肥大退縮と24時間血圧変化との関係を検討した. 対象19例における左室重量係数は夜間収縮期血圧と正の相関を示し,相対壁肥厚度およ...
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          | Published in | 心臓 Vol. 25; no. 8; pp. 893 - 899 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本心臓財団
    
        1993
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| ISSN | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI | 10.11281/shinzo1969.25.8_893 | 
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| Summary: | 降圧薬を服用していない左室肥大を有する本態性高血圧症患者19例を対象として,携帯型自動血圧計にて24時間血圧を測定し,24時間,日中(6:00-19:30),夜間(20:00-5:30)の収縮期および拡張期血圧の平均を求めた.また,Mモード心エコーにて左室重量係数等を算出し,これらと24時間血圧との関係を調べた.さらに,対象19例のうち男性13例に対し,enalaprilを長期投与し,6カ月間投与を受けた10例を対象に,再び24時間血圧測定とMモード心エコーを施行,心肥大退縮と24時間血圧変化との関係を検討した. 対象19例における左室重量係数は夜間収縮期血圧と正の相関を示し,相対壁肥厚度および左室後壁厚は夜間拡張期血圧と正相関した. Enalapril長期投与試験では,6カ月後外来随時血圧,24時間,日中,夜間血圧はいずれも収縮期,拡張期ともに有意に低下し,左室重量係数は平均7.4%減少した.左室重量係数の低下率は外来随時収縮期血圧,24時間,日中,夜間の収縮期および拡張期血圧の下降率と有意な正相関を示したが,日中血圧に比べ夜間血圧の下降率との相関がより強かった. 以上のことより心肥大の進展には夜間血圧が強く関係し,その退縮にも夜間降圧の関与が大きいことが示唆された. | 
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.25.8_893 |