症例 2本の副伝導路と二重房室結節伝導路により5種類の房室リエントリー性頻拍を生じた1例

症例は,4種の正方向性房室リエントリー性頻拍(ORT)と反方向性房室リエントリー性頻拍(ART)が誘発された44歳男性であった.4種のORTはそれぞれ,房室結節遅伝導路(SP)を順伝導路,左側Kent束(LK)を逆伝導路とするもの,SPを順行性に,右側Kent束(RK)を逆行性に伝導するもの,房室結節速伝導路(FP)を順行性に,LKを逆行性に伝導するもの,FPを順行性に,RKを逆行性に伝導するものであった.さらに,ARTはLKを順伝導し,RKを逆伝導した.2本の副伝導路および二重房室結節伝導路を有し,多彩な房室リエントリー性頻拍を生じたまれな1例であった....

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Published in心臓 Vol. 27; no. 2; pp. 139 - 144
Main Authors 伊藤, 明一, 千葉, 直樹, 小野寺, 正輝, 堀田, 一彦, 向井田, 春海, 折祖, 清蔵, 平盛, 勝彦, 細川, 俊一, 久保田, 仁人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1995
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.27.2_139

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Summary:症例は,4種の正方向性房室リエントリー性頻拍(ORT)と反方向性房室リエントリー性頻拍(ART)が誘発された44歳男性であった.4種のORTはそれぞれ,房室結節遅伝導路(SP)を順伝導路,左側Kent束(LK)を逆伝導路とするもの,SPを順行性に,右側Kent束(RK)を逆行性に伝導するもの,房室結節速伝導路(FP)を順行性に,LKを逆行性に伝導するもの,FPを順行性に,RKを逆行性に伝導するものであった.さらに,ARTはLKを順伝導し,RKを逆伝導した.2本の副伝導路および二重房室結節伝導路を有し,多彩な房室リエントリー性頻拍を生じたまれな1例であった.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.27.2_139