超臨界流体抽出(SFE)およびGC-MSによる茶の残留農薬一斉分析法の検討

平成15年の食品衛生法改正によるポジティブリスト制度の導入により,多くの農薬を検査するための,効率の良い分析方法が必要となった.超臨界流体抽出法による残留農薬分析は,有機溶媒抽出法に比べ,前処理工程を大幅に省略することで分析時間を短縮することが見込まれた.一方,茶では茶葉由来の夾雑成分により機器測定が困難になるなどの問題があった.そこで本報では,超臨界流体抽出とミニカラムによる精製を組み合わせた多成分一斉分析と夾雑物の除去について検討した.245農薬についての0.1 μg/g濃度での添加回収試験の結果,178農薬で回収率70~120%,相対標準偏差(RSD%)15%未満を得た.本法の定量限界値...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 53; no. 3; pp. 139 - 145
Main Authors 馬場, 吉武, 荒川, 正人, 佐野, 仁, 牛谷, 公郎, 加藤, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2012
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.53.139

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Summary:平成15年の食品衛生法改正によるポジティブリスト制度の導入により,多くの農薬を検査するための,効率の良い分析方法が必要となった.超臨界流体抽出法による残留農薬分析は,有機溶媒抽出法に比べ,前処理工程を大幅に省略することで分析時間を短縮することが見込まれた.一方,茶では茶葉由来の夾雑成分により機器測定が困難になるなどの問題があった.そこで本報では,超臨界流体抽出とミニカラムによる精製を組み合わせた多成分一斉分析と夾雑物の除去について検討した.245農薬についての0.1 μg/g濃度での添加回収試験の結果,178農薬で回収率70~120%,相対標準偏差(RSD%)15%未満を得た.本法の定量限界値は0.01 μg/g~0.05 μg/gであり,茶の残留農薬一斉分析方法として有用であると考えられる.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.53.139