HEART's Original [症例] 濃厚な突然死の家族歴を有する無症候性Brugada症候群の1例
症例は49歳男性.Brugada様心電図を指摘され,近医受診.無症候性であるが濃厚な突然死の家族歴を有するため,当科紹介入院.器質的心疾患は否定的で,一般検査に異常所見はなく,常用薬もなかった.心電図V1~3で,saddle back type(type 2)のST上昇を呈しており,ピルジカイニド負荷試験でcoved type(type 1)へと変化し,心臓電気生理検査で, 右室流出路2 連期外刺激で心室細動が誘発された. 最近のわが国の多施設共同研究の結果では,無症候例においては唯一,突然死やブルガダ症候群の家族歴の有無がその後の心事故の有意な予測因子であった.まだ議論の分かれるところである...
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Published in | 心臓 Vol. 40; no. 3; pp. 294 - 297 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2008
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Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.40.3_294 |
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Summary: | 症例は49歳男性.Brugada様心電図を指摘され,近医受診.無症候性であるが濃厚な突然死の家族歴を有するため,当科紹介入院.器質的心疾患は否定的で,一般検査に異常所見はなく,常用薬もなかった.心電図V1~3で,saddle back type(type 2)のST上昇を呈しており,ピルジカイニド負荷試験でcoved type(type 1)へと変化し,心臓電気生理検査で, 右室流出路2 連期外刺激で心室細動が誘発された. 最近のわが国の多施設共同研究の結果では,無症候例においては唯一,突然死やブルガダ症候群の家族歴の有無がその後の心事故の有意な予測因子であった.まだ議論の分かれるところであるが,無症候例でもtype1心電図変化とともに突然死やブルガダ症候群の家族歴を伴う症例の予後は不良と考えられ,本症例では植込み型除細動器(ICD)を植え込んで経過観察中である. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.40.3_294 |