症例 内胸動脈バイパスグラフトに対するPTCAの1例

冠動脈バイパス術における内胸動脈グラフトの使用増加に伴い,その術後狭窄に対するPTCAの報告がわずかながら行われている.症例は74歳の男性で,左主幹部完全閉塞と右冠動脈50%狭窄のため左前下行枝に左内胸動脈,右冠動脈に大伏在静脈を用いバイパス術を施行した.術後の冠動脈造影にて前下行枝と内胸動脈の吻合部に90%の狭窄を認めたため同部位にPTCAを試みた.大腿動脈よりアプローチし,guiding catheterは10cm短縮したJudkins-4-Right, guide wireは0.014 inch high torque floppy,balloon catheterはSimpson-Ro...

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Published in心臓 Vol. 21; no. 7; pp. 860 - 862
Main Authors 成子, 隆彦, 寺柿, 政和, 安田, 光隆, 田原, 旭, 奥, 久雄, 竹内, 一秀, 柳, 志郎, 武田, 忠直, 板金, 広, 秋岡, 要
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 1989
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo1969.21.7_860

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Summary:冠動脈バイパス術における内胸動脈グラフトの使用増加に伴い,その術後狭窄に対するPTCAの報告がわずかながら行われている.症例は74歳の男性で,左主幹部完全閉塞と右冠動脈50%狭窄のため左前下行枝に左内胸動脈,右冠動脈に大伏在静脈を用いバイパス術を施行した.術後の冠動脈造影にて前下行枝と内胸動脈の吻合部に90%の狭窄を認めたため同部位にPTCAを試みた.大腿動脈よりアプローチし,guiding catheterは10cm短縮したJudkins-4-Right, guide wireは0.014 inch high torque floppy,balloon catheterはSimpson-Robert low profile 2.5mmを用い6気圧2分でinflationし25%狭窄を残したが開大に成功した.内胸動脈グラフトの普及に伴い術後狭窄に対するPTCAはより安全に施行でき,今後汎用される手法として期待された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo1969.21.7_860