症例 左房調律性頻拍の外科的根治
19歳の男で,種々の薬剤に抵抗する左房調律性頻拍120~180回/分が,2年間にわたり,常時存在した.心腔内電位検査により,最早期興奮部位を冠静脈洞に挿入したカテーテル電極の最先端に見出した.手術時,心表面興奮伝播図の測定,作成により,刺激発生部位が左心耳先端にあることを確認した.左心耳を基部より切除することにより,頻拍は消失し,正常の洞整脈となった.7カ月後の現在,薬剤不使用下に洞整脈を維持し,左房調律性頻拍症は根治した.今後かかる手術的療法は薬剤療法の不適当な症例に施行されてよいと考える....
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          | Published in | 心臓 Vol. 15; no. 7; pp. 789 - 795 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益財団法人 日本心臓財団
    
        1983
     | 
| Subjects | |
| Online Access | Get full text | 
| ISSN | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI | 10.11281/shinzo1969.15.7_789 | 
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| Summary: | 19歳の男で,種々の薬剤に抵抗する左房調律性頻拍120~180回/分が,2年間にわたり,常時存在した.心腔内電位検査により,最早期興奮部位を冠静脈洞に挿入したカテーテル電極の最先端に見出した.手術時,心表面興奮伝播図の測定,作成により,刺激発生部位が左心耳先端にあることを確認した.左心耳を基部より切除することにより,頻拍は消失し,正常の洞整脈となった.7カ月後の現在,薬剤不使用下に洞整脈を維持し,左房調律性頻拍症は根治した.今後かかる手術的療法は薬剤療法の不適当な症例に施行されてよいと考える. | 
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| ISSN: | 0586-4488 2186-3016  | 
| DOI: | 10.11281/shinzo1969.15.7_789 |