研究 心筋梗塞後心破裂の血行動態と心筋梗塞量との関係について
心筋梗塞(梗塞)の死因を心破裂(破裂)と非破裂とに分けて早期血行動態ならびに剖検心から算出した梗塞量について比較検討した.対象は破裂7例,非破裂は初発作・貫壁性・右室梗塞のない5例で,死因はポンプ失調4例,不整脈1例である.梗塞量は心尖部から1cmごとに輪切し,最高膜様部下1.5cmまで行い,各横断面における左室に占める梗塞部の面積比をmanual optical pictureanalysing system を用いて算出し,平均を各症例ごとの梗塞量とした.結果:破裂群の梗塞量は15.1-56.6%で非破裂群に比し,少なかった.血行動態上収容時の最高,最低,平均血圧,1回心仕事係数は破裂群の...
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Published in | 心臓 Vol. 16; no. 8; pp. 773 - 778 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
1984
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo1969.16.8_773 |
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Summary: | 心筋梗塞(梗塞)の死因を心破裂(破裂)と非破裂とに分けて早期血行動態ならびに剖検心から算出した梗塞量について比較検討した.対象は破裂7例,非破裂は初発作・貫壁性・右室梗塞のない5例で,死因はポンプ失調4例,不整脈1例である.梗塞量は心尖部から1cmごとに輪切し,最高膜様部下1.5cmまで行い,各横断面における左室に占める梗塞部の面積比をmanual optical pictureanalysing system を用いて算出し,平均を各症例ごとの梗塞量とした.結果:破裂群の梗塞量は15.1-56.6%で非破裂群に比し,少なかった.血行動態上収容時の最高,最低,平均血圧,1回心仕事係数は破裂群の方に高く,しかし8時間後では差がなかった.心係数と心拍数には収容時や8時間後でも差がなかった.肺動脈楔入圧は収容時では差がなく,8時間後で破裂群の方に高くなっていた.破裂群と非破裂群との間には早期血行動態および梗塞量との間に差がある可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo1969.16.8_773 |