大腿骨転子部骨折術後に大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)をきたした1例

【症例】90歳女性.ADL:車椅子レベル.右大腿骨転子部骨折に対し観血的骨接合術施行後,車椅子移乗レベルで施設へ退院.術後5ヶ月時に特に誘因なく右股関節痛が出現.単純X線像では骨折部の骨癒合を認め,MRI検査で大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)と診断した.6週間の患肢免荷の後に右股関節痛は改善,免荷開始から8ヶ月後(術後13ヶ月)のMRI検査で信号変化は消失していた.【考察】大腿骨転子部骨折術後の大腿骨頭壊死,骨頭下骨折の報告は散見されるが,我々の渉猟し得る限り,SIFの報告はない.今まで報告されている症例の中にもSIF症例が混同されている可能性が示唆され,早期に診断・治療を行うことで骨頭圧潰...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 72; no. 1; pp. 11 - 14
Main Authors 畑, 直文, 濱田, 賢治, 田原, 尚直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2023
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.72.11

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Summary:【症例】90歳女性.ADL:車椅子レベル.右大腿骨転子部骨折に対し観血的骨接合術施行後,車椅子移乗レベルで施設へ退院.術後5ヶ月時に特に誘因なく右股関節痛が出現.単純X線像では骨折部の骨癒合を認め,MRI検査で大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIF)と診断した.6週間の患肢免荷の後に右股関節痛は改善,免荷開始から8ヶ月後(術後13ヶ月)のMRI検査で信号変化は消失していた.【考察】大腿骨転子部骨折術後の大腿骨頭壊死,骨頭下骨折の報告は散見されるが,我々の渉猟し得る限り,SIFの報告はない.今まで報告されている症例の中にもSIF症例が混同されている可能性が示唆され,早期に診断・治療を行うことで骨頭圧潰の進行を予防することができる可能性がある.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.72.11