急性期脳卒中患者における血清Lp (a) の変動と apo (a) phenotype についての研究
急性期脳卒中患者33名 (男性21名女性12名, 平均年齢69.9±11.2歳) における血清Lp (a) 値の変動 (発症日, 3, 7, 14, 28病日) を検討した. 発症日に対して第7, 14病日と一過性にLp (a) は有意 (p<0.05, p<0.001) に高値を示し, 予後検討として予後が悪いほどLp (a) は高値を示し, また病巣が大きいほどLp (a) は高値の傾向があった. また同患者33名に対してSDS電気泳動にて apo (a) phenotype を測定した. その測定結果を single-band 群と double-band 群とにわけて比較検...
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Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 33; no. 11; pp. 852 - 861 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.11.1996
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Subjects | |
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ISSN | 0300-9173 |
DOI | 10.3143/geriatrics.33.852 |
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Summary: | 急性期脳卒中患者33名 (男性21名女性12名, 平均年齢69.9±11.2歳) における血清Lp (a) 値の変動 (発症日, 3, 7, 14, 28病日) を検討した. 発症日に対して第7, 14病日と一過性にLp (a) は有意 (p<0.05, p<0.001) に高値を示し, 予後検討として予後が悪いほどLp (a) は高値を示し, また病巣が大きいほどLp (a) は高値の傾向があった. また同患者33名に対してSDS電気泳動にて apo (a) phenotype を測定した. その測定結果を single-band 群と double-band 群とにわけて比較検討すると, double-band 群が有意 (p<0.05) に予後が悪かった. そして double-band 群は single-band 群に比べLp (a) の平均値は, 発症日を除いて有意に高値を示した. また泳動度が大きい群 (B, S1, S2) 小さい群 (S3, S4) に分類して比較検討すると, 泳動度の大きい群の方がLp (a) は, 有意に高値を示した. 以上の結果により脳卒中例で血清Lp (a) 値を経時的に測定することで予後予測が可能となり, apo (a) phenotype を測定することは, 脳卒中特に脳梗塞の予防, 予後の観点からも有用と思われた. |
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ISSN: | 0300-9173 |
DOI: | 10.3143/geriatrics.33.852 |