腹部大動脈ステントグラフト内挿術(EVAR)後のネック径と脚径の年次変化

【目的】EVAR後のネック径,脚径の経年変化を明らかにすること.【方法】術後5年以上毎年CT撮影し,遠隔期瘤径拡大に対して再介入を要した16例をA群,再介入のない60例をB群としてネック径,脚径の年次変化を比較した.【結果】2群の瘤最大短径,術前ネック径,総腸骨動脈最大短径,ステントグラフト本体径,両側レッグ径には有意差はなかった.術後A群の瘤最大短径は経時的に拡大,B群は縮小を維持し2年以降有意差を認めた.A群のネック径のオーバーサイズ効果は術後2年で消失したがB群では術後5年でも残存した.しかしおよそ術後9–10年で消失すると推定された.両群の脚のオーバーサイズ効果は術後1年で消失したが再...

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Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 31; no. 1; pp. 35 - 39
Main Authors 篠永, 真弓, 上西, 祐一朗, 倉持, 雅己, 梅澤, 麻以子, 倉岡, 節夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 28.02.2022
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ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.21-00073

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Summary:【目的】EVAR後のネック径,脚径の経年変化を明らかにすること.【方法】術後5年以上毎年CT撮影し,遠隔期瘤径拡大に対して再介入を要した16例をA群,再介入のない60例をB群としてネック径,脚径の年次変化を比較した.【結果】2群の瘤最大短径,術前ネック径,総腸骨動脈最大短径,ステントグラフト本体径,両側レッグ径には有意差はなかった.術後A群の瘤最大短径は経時的に拡大,B群は縮小を維持し2年以降有意差を認めた.A群のネック径のオーバーサイズ効果は術後2年で消失したがB群では術後5年でも残存した.しかしおよそ術後9–10年で消失すると推定された.両群の脚のオーバーサイズ効果は術後1年で消失したが再介入の要因とはならなかった.【結論】再介入した症例は術後2年でネック径のオーバーサイズ効果は消失した.ネックのオーバーサイズ効果の消失とともに将来の再介入が増加すると推定される.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.21-00073