LC-MS/MSによる畜産食品中動物用医薬品の改良一斉分析法の妥当性評価および実態調査(妥当性評価)

食鳥肉,鶏卵および生乳中動物用医薬品の迅速一斉分析法の妥当性評価を行った.LC-MS/MSを用い,サルファ剤,抗コクシジウム剤,マクロライド系抗生物質を含む20種類の動物用医薬品を同時に分析した.試料からアセトニトリルで抽出し,硫酸マグネシウム,クエン酸三ナトリウム,塩化ナトリウムで脱水,塩析した後,定容し試験溶液とした.4種類の畜産食品試料(鶏筋肉,合鴨筋肉,鶏卵,生乳)について,10および100 μg/kgの2濃度,2併行5日間での添加回収実験を行った.食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインで定める目標値に適合した薬剤は,鶏筋肉および合鴨筋肉で17剤,鶏卵および生乳で...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 64; no. 1; pp. 53 - 60
Main Authors 神田, 真軌, 笹本, 剛生, 林, もも香, 中島, 崇行, 吉川, 聡一, 永野, 智恵子, 大場, 由実, 大塚, 健治, 小池, 裕, 林, 洋, 松島, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.02.2023
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.64.53

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Summary:食鳥肉,鶏卵および生乳中動物用医薬品の迅速一斉分析法の妥当性評価を行った.LC-MS/MSを用い,サルファ剤,抗コクシジウム剤,マクロライド系抗生物質を含む20種類の動物用医薬品を同時に分析した.試料からアセトニトリルで抽出し,硫酸マグネシウム,クエン酸三ナトリウム,塩化ナトリウムで脱水,塩析した後,定容し試験溶液とした.4種類の畜産食品試料(鶏筋肉,合鴨筋肉,鶏卵,生乳)について,10および100 μg/kgの2濃度,2併行5日間での添加回収実験を行った.食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインで定める目標値に適合した薬剤は,鶏筋肉および合鴨筋肉で17剤,鶏卵および生乳では20剤すべてであった.また,本試験法における各薬剤の定量下限値は,すべての試料でMRL以下であった.本試験法を用いて99試料について実態調査を行った結果,4試料から定量下限値未満でトルトラズリル代謝物等の薬剤の残留が確認でき,継続的にモニタリングが必要であることを示唆した.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.64.53