理科学習における概念地図作り(CONCEPT MAPPING)の有効性に関する一考察―6学年児童の「水溶液の性質」概念の形成において

本研究は、「概念地図作り」を学習ツールとして使用した場合の有効性を考察したものである。小学校6年生児童に対して、知識を構造化する機会を与えるために、単元「水よう液の性質」の授業の流れの中に、学習の一部として概念地図作りを取り入れた。その有効性について考察するために、「概念系」と「概念地図数」というものを考えて分析した。その結果、次の二点について、概念地図作りが有効であることがわかった。1. 「概念系」についての分析によると、知識の再生、獲得が良かった児童は実験群に多かった。2. 「概念地図数」についての分析によると、「統合的調和」が起きたと考えられる児童は実験群に多かった。また、今後の研究課題...

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Published in日本理科教育学会研究紀要 Vol. 32; no. 1; pp. 67 - 75
Main Authors 福岡, 敏行, 笠井, 恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本理科教育学会 1991
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ISSN0389-9039
2433-0140
DOI10.11639/formersjst.32.1_67

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Summary:本研究は、「概念地図作り」を学習ツールとして使用した場合の有効性を考察したものである。小学校6年生児童に対して、知識を構造化する機会を与えるために、単元「水よう液の性質」の授業の流れの中に、学習の一部として概念地図作りを取り入れた。その有効性について考察するために、「概念系」と「概念地図数」というものを考えて分析した。その結果、次の二点について、概念地図作りが有効であることがわかった。1. 「概念系」についての分析によると、知識の再生、獲得が良かった児童は実験群に多かった。2. 「概念地図数」についての分析によると、「統合的調和」が起きたと考えられる児童は実験群に多かった。また、今後の研究課題として、次の二点が考えられる。1. 階層性やクロスリンクがあまり作れない児童の特性にあった学習方法や概念地図の評価方法 2. ポストテストでの概念地図作りの熟達を考慮した評価方法
ISSN:0389-9039
2433-0140
DOI:10.11639/formersjst.32.1_67