胸膜原発巨大腫瘤を呈したprimitive neuroectodermal tumor(PNET)の1例
症例は69歳女性.胸部単純X線写真にて左横隔膜上に不整形巨大腫瘤が認められた.胸部CTでは,内部に不整濃染像,血液検査にて明らかな異常を認めなかった.遠隔転移は確認されなかったため,開胸術を施行した.肉眼所見では,腫瘍は左下葉横隔膜面臓側胸膜より発生し,大きさ8.0×7.5×7.0cmの多房性境界明瞭,肌色調巨大腫瘤であった.一部横隔膜面との癒着が認められたため,横隔膜および左下葉部分切除を施行した.術後病理検査ではsmall round cell tumorを呈しており,免疫染色にてDesmin陰性,MyoD陰性,CD99陽性であったため,primitive neuro ectodermal...
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| Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 21; no. 4; pp. 603 - 607 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2007
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| Subjects | |
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| ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI | 10.2995/jacsurg.21.603 |
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| Summary: | 症例は69歳女性.胸部単純X線写真にて左横隔膜上に不整形巨大腫瘤が認められた.胸部CTでは,内部に不整濃染像,血液検査にて明らかな異常を認めなかった.遠隔転移は確認されなかったため,開胸術を施行した.肉眼所見では,腫瘍は左下葉横隔膜面臓側胸膜より発生し,大きさ8.0×7.5×7.0cmの多房性境界明瞭,肌色調巨大腫瘤であった.一部横隔膜面との癒着が認められたため,横隔膜および左下葉部分切除を施行した.術後病理検査ではsmall round cell tumorを呈しており,免疫染色にてDesmin陰性,MyoD陰性,CD99陽性であったため,primitive neuro ectodermal tumor(PNET)と診断した.本症例ではPNETに特異的なキメラmRNAは検出されなかった.PNETは極めて稀で予後不良な疾患であり,診断時には既に遠隔転移を認める症例も数多いため,正確な診断,治療が望まれる. |
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
| DOI: | 10.2995/jacsurg.21.603 |