下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート血管内塞栓術後にグルー充填大伏在静脈に沿って異物肉芽腫が多発した1例

下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート血管内塞栓術(cyanoacrylate closure: CAC)は新しい治療法のため合併症についてはまだ不明な点がある.今回われわれはCAC後の慢性期にシアノアクリレート(cyanoacrylate: CA)を充填した大伏在静脈(great saphenouse vein: GSV)に沿って皮膚に肉芽腫が多発した症例を経験したため報告する.症例は81歳の女性.強皮症に対する投薬治療を受けており安定した状態であった.GSVへのCAC施行第50病日頃にCA充填GSVに沿って大腿内側に肉芽腫が多発性に発生した.CT検査で,肉芽腫はCA充填GSVが皮膚直下に存在...

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Published in静脈学 Vol. 36; no. 3; pp. 383 - 388
Main Authors 中山 真悠子, 鈴木 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 26.08.2025
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ISSN0915-7395
2186-5523
DOI10.7134/phlebol.24-23

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Summary:下肢静脈瘤に対するシアノアクリレート血管内塞栓術(cyanoacrylate closure: CAC)は新しい治療法のため合併症についてはまだ不明な点がある.今回われわれはCAC後の慢性期にシアノアクリレート(cyanoacrylate: CA)を充填した大伏在静脈(great saphenouse vein: GSV)に沿って皮膚に肉芽腫が多発した症例を経験したため報告する.症例は81歳の女性.強皮症に対する投薬治療を受けており安定した状態であった.GSVへのCAC施行第50病日頃にCA充填GSVに沿って大腿内側に肉芽腫が多発性に発生した.CT検査で,肉芽腫はCA充填GSVが皮膚直下に存在する部位に発生していることを確認していた.CA充填GSVおよび肉芽腫を外科的に除去し,病理組織検査では,びらん形成に加えて高度の炎症細胞浸潤と異物肉芽腫の形成が認められたが,膠原病を示唆するような所見は認められなかった.術後,肉芽腫の再燃は認められていない.
ISSN:0915-7395
2186-5523
DOI:10.7134/phlebol.24-23