抗コクシジウム剤ジメチアリウムの野外試験成績
抗コクシジウム剤ジメチアリウムをそれぞれ0.004%, 0.006%, 0.0125%飼料に添加した群および無投薬群を設けて各群を30羽とし, 餌付より250日令の間野外試験を実施してつぎのような知見を得た. 1) コクシジウム症によるへい死は, 対照群では見られたが, 試験群には1羽も認められず臨床症状も正常であった. 2) OPGの各時点における群間の差はほとんどみられなかったが, 対照群は試験群に比べて長期間オーシストの排泄が確認された. 3) 餌付より174日令まで長期投与したが, 発育や産卵への影響はまったく認められなかった. 4) 人工感染に対する耐過試験では, 0.004%添加群...
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| Published in | 日本獣医師会雑誌 Vol. 21; no. 1; pp. 27 - 32 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
公益社団法人 日本獣医師会
1968
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0446-6454 2186-0211 |
| DOI | 10.12935/jvma1951.21.27 |
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| Summary: | 抗コクシジウム剤ジメチアリウムをそれぞれ0.004%, 0.006%, 0.0125%飼料に添加した群および無投薬群を設けて各群を30羽とし, 餌付より250日令の間野外試験を実施してつぎのような知見を得た. 1) コクシジウム症によるへい死は, 対照群では見られたが, 試験群には1羽も認められず臨床症状も正常であった. 2) OPGの各時点における群間の差はほとんどみられなかったが, 対照群は試験群に比べて長期間オーシストの排泄が確認された. 3) 餌付より174日令まで長期投与したが, 発育や産卵への影響はまったく認められなかった. 4) 人工感染に対する耐過試験では, 0.004%添加群がもっともよく, 0.0125%添加群は十二指腸, 小腸遊離部の病変は軽度であったが盲腸の病変はもっとも重かった. 5) 以上の成績より, ジメチアリウム投与群は野外でのコクシジウム症予防に有効であるのみでなく, 感染に対する免疫もある程度獲得されていることが推察された. 6) 発育, 産卵率, 人工感染での耐過率および剖検所見では0.004%添加群がもっともすぐれていた.本論文の要旨は, 第63回日本獣医学会において報告した. |
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| ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
| DOI: | 10.12935/jvma1951.21.27 |