4次元cone beam CTと4次元CTの呼吸性移動を伴う標的の位相位置に対する検討:ファントム研究
【目的】呼吸性移動を伴う肺や肝臓などに対する放射線治療において,4次元CT(4D CT)を用いて正確に標的の動きを把握し,治療計画を行うことが重要である.しかし,呼吸性移動を伴う臓器に対する画像誘導放射線治療では,3次元のcone beam CTや2次元のX線写真によって位置照合が行われることが多く,呼吸停止による特定の呼吸位相での腫瘍照合や吸気および呼気停止撮影による腫瘍移動長の把握は可能であるが,呼吸位相ごとの腫瘍の移動軌跡を把握することは困難である.近年,画像誘導放射線治療において4次元cone beam CBCT(4D CBCT)を用いた位置照合が行える放射線治療装置が導入され,標的の...
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          | Published in | 日本放射線技術学会雑誌 Vol. 81; no. 12; p. 25-1562 | 
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| Main Authors | , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            公益社団法人 日本放射線技術学会
    
        2025
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| Subjects | |
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| ISSN | 0369-4305 1881-4883  | 
| DOI | 10.6009/jjrt.25-1562 | 
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| Summary: | 【目的】呼吸性移動を伴う肺や肝臓などに対する放射線治療において,4次元CT(4D CT)を用いて正確に標的の動きを把握し,治療計画を行うことが重要である.しかし,呼吸性移動を伴う臓器に対する画像誘導放射線治療では,3次元のcone beam CTや2次元のX線写真によって位置照合が行われることが多く,呼吸停止による特定の呼吸位相での腫瘍照合や吸気および呼気停止撮影による腫瘍移動長の把握は可能であるが,呼吸位相ごとの腫瘍の移動軌跡を把握することは困難である.近年,画像誘導放射線治療において4次元cone beam CBCT(4D CBCT)を用いた位置照合が行える放射線治療装置が導入され,標的の動きの可視化が期待される.本研究の目的は,ファントム実験により,4D CTと4D CBCTにおいて呼吸性移動を伴う標的の位相位置に対する描出能と一致性を検討することである.【方法】呼吸性移動を模擬する様に,模擬呼吸に合わせて模擬腫瘍が連動する動体ファントムを4D CTと4D CBCTで撮影した.模擬腫瘍は呼吸周期3, 4, 5, 7.5 s,振幅20, 16, 10, 8, 4 mm変化するように設定し,それぞれの条件で4D CTと4D CBCTで撮影を行った.治療計画装置において,得られた各呼吸位相の画像から模擬腫瘍に関心領域を設定し,腫瘍の同定を行い,得られた領域をターゲットと設定した.4D CTと4D CBCTの対応する各位相画像のターゲットの体積,重心における位置誤差とdice係数を治療計画装置で測定した.【結果】4D CTと4D CBCT間のターゲットの重心における位置誤差は,おおむね±1 mm以内で一致した.4D CTと4D CBCTの各条件における各呼吸位相のdice係数は,おおむね0.8以上となった.【結語】呼吸性移動を伴う標的に対して,4D CBCTは4D CTと同等の検出能を有することが示唆された. | 
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| ISSN: | 0369-4305 1881-4883  | 
| DOI: | 10.6009/jjrt.25-1562 |