Transoral videolaryngoscopic surgery(TOVS)にて経口的に摘出した下咽頭脂肪腫の1例

咽頭に発生する脂肪腫は比較的稀である。今回われわれは下咽頭脂肪腫の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。 症例は58歳男性。嚥下時違和感を主訴に受診。下咽頭後壁に粘膜下腫瘍を指摘されたが,腫瘍径が12mmと小さく,生検で悪性所見も認めなかったため,近医にて経過観察。約3年後には腫瘍が喉頭に覆い被さるほど増大し,気道閉塞の危険性があるため摘出術を行う方針となった。外切開ではなく極力低侵襲である経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)を行った。 下咽頭脂肪腫は長期間無症状であることが多いが,増大すると気道閉塞をきたすこともある。脂肪肉腫との鑑別が困難な場合もあり,摘出術が勧められる。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 32; no. 1; pp. 47 - 51
Main Authors 若岡, 敬紀, 奥田, 弘, 大西, 将美, 髙木, 千晶, 髙田, 菜月
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2021
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.21-009

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Summary:咽頭に発生する脂肪腫は比較的稀である。今回われわれは下咽頭脂肪腫の1例を経験したので文献的考察を加え報告する。 症例は58歳男性。嚥下時違和感を主訴に受診。下咽頭後壁に粘膜下腫瘍を指摘されたが,腫瘍径が12mmと小さく,生検で悪性所見も認めなかったため,近医にて経過観察。約3年後には腫瘍が喉頭に覆い被さるほど増大し,気道閉塞の危険性があるため摘出術を行う方針となった。外切開ではなく極力低侵襲である経口的咽喉頭部分切除術(TOVS)を行った。 下咽頭脂肪腫は長期間無症状であることが多いが,増大すると気道閉塞をきたすこともある。脂肪肉腫との鑑別が困難な場合もあり,摘出術が勧められる。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.21-009