治療が奏効した非免疫不全HHV-6脳炎の1例
ヒトヘルペスウイルス6 (human herpesvirus 6, HHV-6)は,免疫抑制状態にある患者において,脳炎や髄膜炎を惹起することが知られている.症例は73歳,男性.免疫不全の誘因となる基礎疾患や,内服歴はない.来院する2ヵ月前に帯状疱疹の治療歴あり.意識障害と,記憶障害を主訴に来院した.入院当初の髄液検査では,明らかな細胞数増多を認めなかった.帯状疱疹の既往より, 帯状疱疹関連脳炎を第一に考え,アシクロビル単剤で加療を行ったが,第2病日に意識障害の悪化を認めた.ステロイドパルス療法を施行したところ,急速な症状改善を認め,追加検査にてHHV-6 DNAが検出されたため, HHV-6...
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          | Published in | 岩手医学雑誌 Vol. 71; no. 3; pp. 109 - 113 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | English Japanese  | 
| Published | 
            岩手医学会
    
        2019
     | 
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| ISSN | 0021-3284 2434-0855  | 
| DOI | 10.24750/iwateishi.71.3_109 | 
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| Summary: | ヒトヘルペスウイルス6 (human herpesvirus 6, HHV-6)は,免疫抑制状態にある患者において,脳炎や髄膜炎を惹起することが知られている.症例は73歳,男性.免疫不全の誘因となる基礎疾患や,内服歴はない.来院する2ヵ月前に帯状疱疹の治療歴あり.意識障害と,記憶障害を主訴に来院した.入院当初の髄液検査では,明らかな細胞数増多を認めなかった.帯状疱疹の既往より, 帯状疱疹関連脳炎を第一に考え,アシクロビル単剤で加療を行ったが,第2病日に意識障害の悪化を認めた.ステロイドパルス療法を施行したところ,急速な症状改善を認め,追加検査にてHHV-6 DNAが検出されたため, HHV-6脳炎と診断した.HHV-6脳炎の神経学的予後は不良であり,早期診断が望まれるが,免疫不全のない患者においてHHV-6脳炎の報告は稀であるため常に念頭に置き,診療に当たることが重要である. | 
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| ISSN: | 0021-3284 2434-0855  | 
| DOI: | 10.24750/iwateishi.71.3_109 |