コロナ禍における後方支援チームの活動を通して マリアンナ精神を感じ得た数々の出来事

コロナ感染症はその発症の急峻さ,幅広い年齢層で重症化し,命を奪う未知のウイルスであることに世界全体が不安と恐怖に陥った。当院はコロナ診療を行う病院として最前線で診療にあたった国内有数の病院の一つである。医療スタッフをはじめ,多くのマリアンナの教職員が精神的,肉体的に極限のストレスの中で業務にあたり疲弊やバーンアウトの懸念があった。救急診療で直接コロナ感染症患者の診療にあたる前方スタッフと,グリーンゾーンで勤務し日常診療の維持を担う後方スタッフ一同が一丸となり共にコロナ感染症の脅威に立ち向かうことを目的にコロナ対策後方支援チームが発足された。当学のコロナ後方支援チームの活動がうまく機能できた理由...

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Published in聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 51; no. Suppl; pp. S159 - S162
Main Author 杉下, 陽堂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 学校法人 聖マリアンナ医科大学医学会 2024
聖マリアンナ医科大学医学会
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ISSN0387-2289
2189-0285
DOI10.14963/stmari.51.S159

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Summary:コロナ感染症はその発症の急峻さ,幅広い年齢層で重症化し,命を奪う未知のウイルスであることに世界全体が不安と恐怖に陥った。当院はコロナ診療を行う病院として最前線で診療にあたった国内有数の病院の一つである。医療スタッフをはじめ,多くのマリアンナの教職員が精神的,肉体的に極限のストレスの中で業務にあたり疲弊やバーンアウトの懸念があった。救急診療で直接コロナ感染症患者の診療にあたる前方スタッフと,グリーンゾーンで勤務し日常診療の維持を担う後方スタッフ一同が一丸となり共にコロナ感染症の脅威に立ち向かうことを目的にコロナ対策後方支援チームが発足された。当学のコロナ後方支援チームの活動がうまく機能できた理由の考察として,第1に医師や看護師を含めた医療職の他,事務職や役員などさまざまなバックグラウンドを持つスタッフで構成されており,役職の垣根をこえたフラットな発言を要求されることでそれぞれの視点から忌憚のない意見交換が可能となった点,第2に当院へのコロナ感染症対策への寄付金の執行権を得ることができ,スピード感を持って支援を実行することができた点,第3に支援者からの寄付の金額の大きさもさることながら,寄付に込められた応援の気持ちが届けられたことが原動力になった点が挙げられる。本チームの活動実績を紹介し,活動を通して得られた経験について述べる。
ISSN:0387-2289
2189-0285
DOI:10.14963/stmari.51.S159