トウキョウダルマガエルの越冬場の選択性 複数地区及び同一圃場内における越冬環境の比較

平野部水田地帯での減少が著しいトウキョウダルマガエルについて,保全策の検討に向けて越冬場及びその環境の把握を圃場整備実施済み及び未実施の地区で実施した.本種はどの地区においても地中で越冬していた.越冬場の土地の状況は地区によって異なり,水田が優占的な地区では田面で,畑地が混在する地区では畑地で,湿田が存在する地区では湿田内を避け隣接した畦畔や法面で,越冬する傾向が見られた.本種の越冬場の土壌水分量(体積含水率)については,地区間で有意な差は見られなかった.また,同一圃場内における越冬場と非越冬場の土壌水分量は,越冬場で有意に少なかった.これらの結果から,越冬には土壌水分量の多い箇所は忌避され,...

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Published in農業農村工学会論文集 Vol. 91; no. 1; pp. I_1 - I_10
Main Authors 茂木, 万理菜, 中島, 直久, 守山, 拓弥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2023
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ISSN1882-2789
1884-7242
DOI10.11408/jsidre.91.I_1

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Summary:平野部水田地帯での減少が著しいトウキョウダルマガエルについて,保全策の検討に向けて越冬場及びその環境の把握を圃場整備実施済み及び未実施の地区で実施した.本種はどの地区においても地中で越冬していた.越冬場の土地の状況は地区によって異なり,水田が優占的な地区では田面で,畑地が混在する地区では畑地で,湿田が存在する地区では湿田内を避け隣接した畦畔や法面で,越冬する傾向が見られた.本種の越冬場の土壌水分量(体積含水率)については,地区間で有意な差は見られなかった.また,同一圃場内における越冬場と非越冬場の土壌水分量は,越冬場で有意に少なかった.これらの結果から,越冬には土壌水分量の多い箇所は忌避され,適度に水分がある箇所が選好されることが示唆された.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.91.I_1