MEN1に伴う副甲状腺機能亢進症の再手術例の検討

多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)における副甲状腺機能亢進症術後の再発に対する外科治療について検討した。1998年から2020年に当院で初回手術した症例は54例あり,このうち術前にMEN1と診断した50例に副甲状腺全摘・一部自家移植術や副甲状腺亜全摘術を実施した。8例で再発を認めたため,このうち6例に再手術を行い血清カルシウム値は正常化した。再手術までの期間は中央値16年11カ月であった。癒着や甲状腺内埋没のため3例では甲状腺片葉の合併切除が必要であり,2例は一過性声帯麻痺をきたした。初回手術では単腺腫大との診断のもと単腺切除術を行い,術後にMEN1と診断された症例が4例あった。このうち2例は...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 228 - 231
Main Authors 宮内, 昭, 伊藤, 康弘, 佐野, 奨, 藤島, 成, 木原, 実, 宮, 章博, 佐々木, 崇博, 山本, 正利, 能田, 拓也, 東山, 卓也, 安藤, 孝人, 舛岡, 裕雄, 小野田, 尚佳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2021
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.38.4_228

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Summary:多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1)における副甲状腺機能亢進症術後の再発に対する外科治療について検討した。1998年から2020年に当院で初回手術した症例は54例あり,このうち術前にMEN1と診断した50例に副甲状腺全摘・一部自家移植術や副甲状腺亜全摘術を実施した。8例で再発を認めたため,このうち6例に再手術を行い血清カルシウム値は正常化した。再手術までの期間は中央値16年11カ月であった。癒着や甲状腺内埋没のため3例では甲状腺片葉の合併切除が必要であり,2例は一過性声帯麻痺をきたした。初回手術では単腺腫大との診断のもと単腺切除術を行い,術後にMEN1と診断された症例が4例あった。このうち2例は再発時に画像診断で認めた腫大腺2腺のみを切除して血清カルシウム値は正常化した。本疾患は,若年発症で長期間経過後に再発することがあるので,初回手術時の確実な記録と非常に長期間の経過観察が必要である。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.38.4_228