両側副腎悪性腫瘍のマネージメント

両側副腎悪性腫瘍は極めて稀であり,副腎皮質癌や褐色細胞腫,副腎原発悪性リンパ腫,悪性腫瘍の副腎転移などが存在する。両側副腎皮質癌の治療は片側の治療と同様に,原則は手術による根治的切除が第一選択である。一方で根治的切除ができない場合は,ミトタンと抗がん剤の併用療法などが検討される。両側副腎皮質癌を認めた場合は,遺伝性疾患の存在も検討する必要があり,既往歴や家族歴の十分な問診を要する。遺伝性疾患が存在した場合は家族を含めた遺伝カウンセリングが必要となる。その他の両側副腎悪性腫瘍については原疾患の治療方針に則るが,診断や治療のために副腎摘除術が選択されることがある。悪性腫瘍の病勢コントロールのみなら...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 39; no. 4; pp. 261 - 265
Main Authors 坂本, 信一, 金坂, 学斗, 市川, 智彦, 今村, 有佑, 竹内, 信善
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2022
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.39.4_261

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Summary:両側副腎悪性腫瘍は極めて稀であり,副腎皮質癌や褐色細胞腫,副腎原発悪性リンパ腫,悪性腫瘍の副腎転移などが存在する。両側副腎皮質癌の治療は片側の治療と同様に,原則は手術による根治的切除が第一選択である。一方で根治的切除ができない場合は,ミトタンと抗がん剤の併用療法などが検討される。両側副腎皮質癌を認めた場合は,遺伝性疾患の存在も検討する必要があり,既往歴や家族歴の十分な問診を要する。遺伝性疾患が存在した場合は家族を含めた遺伝カウンセリングが必要となる。その他の両側副腎悪性腫瘍については原疾患の治療方針に則るが,診断や治療のために副腎摘除術が選択されることがある。悪性腫瘍の病勢コントロールのみならず内分泌学的な全身管理も治療経過を通して重要である。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.39.4_261