眼瞼脂腺癌後発リンパ節転移症例の臨床的検討

• Published in: 頭頸部外科 Vol. 35; no. 1; pp. 63 - 67
• Main Authors: 新橋 渉, 市川 千恭, 蝦原 康宏, 檜原 浩介, 佐々木 徹, 岩城 弘尚, 福島 啓文, 西條 幸平, 神山 亮介, 今泉 冴恵, 鳥居 淳一, 松居 祐樹, 三谷 浩樹, 瀬戸 陽
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2025
• Subjects: 眼瞼脂腺癌; 耳下腺リンパ節転移; 耳下腺全摘; 頸部リンパ節転移; 頸部郭清
• ISSN: 1349-581X; 1884-474X
• DOI: 10.5106/jjshns.35.67

眼瞼脂腺癌は眼瞼の皮脂腺に由来し高齢者に好発する稀な腫瘍であり，領域リンパ節となる耳下腺リンパ節，頸部リンパ節への後発転移が多いことが知られている。そこで，眼瞼脂腺癌後発リンパ節転移に対して当科で救済手術を施行した10症例を後方視的に検討した。リンパ節転移の内訳は耳下腺リンパ節転移のみが8例，耳下腺リンパ節と頸部リンパ節両者への転移が2例であった。耳下腺全摘＋頸部郭清（Level Ⅰ-Ⅴ）を施行した症例が6例と最多であり，概ね予後良好であった。術後病理検査でLevel Ⅲ-Ⅴの転移は指摘されず，耳下腺リンパ節単独の転移症例ではLevel Ⅳ・Ⅴの郭清を省略できる可能性が示唆された。