立地競争と営業時間の戦略的補完関係の実証分析

本研究の目的は、企業同士が同じ営業時間の長さを選択する戦略的補完関係の成立が、営業時間を拡大し合う均衡あるいは縮小し合う均衡を生じるか否かについて、同ブランド店舗間および他ブランド店舗間の立地競争の影響を踏まえながら明らかにすることである。そこで本研究では、九州のファミリーレストランのパネルデータを用いたプロビット分析により、品質と価格および空間構造を考慮しつつ、立地競争と営業時間選択についての実証分析を行う。分析の結果、各店舗は商圏内の同ブランド店舗が24時間営業を行う割合が大きい(小さい)ほど24時間営業を行う(行わない)傾向、すなわち同ブランド店舗間で営業時間の戦略的補完関係があると分か...

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Published in応用地域学研究 Vol. 2024; no. 28; pp. 25 - 49
Main Authors 村山, 透, 香川, 涼亮, 西塚, 享他
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 応用地域学会 31.03.2025
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ISSN1880-960X
2435-4414
DOI10.34438/arsc.2024.28_25

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Summary:本研究の目的は、企業同士が同じ営業時間の長さを選択する戦略的補完関係の成立が、営業時間を拡大し合う均衡あるいは縮小し合う均衡を生じるか否かについて、同ブランド店舗間および他ブランド店舗間の立地競争の影響を踏まえながら明らかにすることである。そこで本研究では、九州のファミリーレストランのパネルデータを用いたプロビット分析により、品質と価格および空間構造を考慮しつつ、立地競争と営業時間選択についての実証分析を行う。分析の結果、各店舗は商圏内の同ブランド店舗が24時間営業を行う割合が大きい(小さい)ほど24時間営業を行う(行わない)傾向、すなわち同ブランド店舗間で営業時間の戦略的補完関係があると分かった。また商圏内に他ブランド店舗が多いほど24時間営業を行う傾向から、他ブランド店舗間の立地競争は営業時間を拡大させることが分かった。
ISSN:1880-960X
2435-4414
DOI:10.34438/arsc.2024.28_25