植込み型デバイスや体内留置金属を有する患者のMRI検査を行う体制の国内実態調査
磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging: MRI)検査を実施する際には,有害事象を防止または最小化するために,スキャン前に植込み型デバイスの存在を確認するだけでなくMR適合性を確認しなければならない.また,体内外金属やタトゥーやアートメイクなどの体内外金属の存在も確認するなど医療従事者は複雑なプロセスを経てMRI検査のリスクに備える必要があり,そのためには情報のアップデートと自施設の体制の振り返りが重要になる.本研究は日本国内で植込み型デバイスを装着している患者のMRI検査を実施している950施設を対象にして植込み型デバイスがMR適合だと分かったのちの対応と,検査前...
Saved in:
Published in | 日本放射線技術学会雑誌 Vol. 81; no. 6; p. 25-1498 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本放射線技術学会
2025
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0369-4305 1881-4883 |
DOI | 10.6009/jjrt.25-1498 |
Cover
Summary: | 磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging: MRI)検査を実施する際には,有害事象を防止または最小化するために,スキャン前に植込み型デバイスの存在を確認するだけでなくMR適合性を確認しなければならない.また,体内外金属やタトゥーやアートメイクなどの体内外金属の存在も確認するなど医療従事者は複雑なプロセスを経てMRI検査のリスクに備える必要があり,そのためには情報のアップデートと自施設の体制の振り返りが重要になる.本研究は日本国内で植込み型デバイスを装着している患者のMRI検査を実施している950施設を対象にして植込み型デバイスがMR適合だと分かったのちの対応と,検査前のMRI用体内外金属チェックリストの確認項目や確認体制についてアンケート調査を行なった.622施設から回答が得られた(回収率65.5%).植込み型デバイスを装着した患者のMRI検査実施体制の調査では,植込み型デバイスごとに実施準備が整っている割合と,MRI実施前に各デバイスのモード変更やインフォームドコンセントに関わっている職種が明らかになった.体内外金属の事前確認に用いているMRI用体内外金属チェックリストに関する調査では,チェックリストを使っている割合と問診を行っている職種が明らかになった.更に,MRI用体内外金属チェックリストで確認している項目の内容には施設間で大きなばらつきがあることが明らかになった.他施設の実態を知ることで自施設の実施体制やチェックリストの内容を振り返り,MRI検査におけるリスクを更に減らすことにつながることが期待される. |
---|---|
ISSN: | 0369-4305 1881-4883 |
DOI: | 10.6009/jjrt.25-1498 |