小児甲状腺癌に対する放射性ヨウ素内用療法

小児の甲状腺癌はリンパ節転移や遠隔転移を認める可能性が高いが,基本的には生命予後は良好であり,放射性ヨウ素内用療法にもよく反応する。また,治療の効果が長く持続することから,二次発癌など長期的な副作用に鑑みると,成人で推奨されている総投与量や治療回数,治療間隔は,小児にとって必ずしも適切ではない。治療を計画する際は,患者・家族に中長期的な影響も含めたリスクについて十分に説明し,適切な経過観察を行う必要がある。本項では,American Thyroid Associationの制定したガイドラインを中心に,小児の甲状腺癌患者における,放射性ヨウ素内用療法の基本的な適応や手順,注意点について記載する...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 38; no. 3; pp. 180 - 184
Main Authors 山瀬, 喬史, 絹谷, 清剛, 萱野, 大樹, 稲木, 杏吏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2021
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.38.3_180

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Summary:小児の甲状腺癌はリンパ節転移や遠隔転移を認める可能性が高いが,基本的には生命予後は良好であり,放射性ヨウ素内用療法にもよく反応する。また,治療の効果が長く持続することから,二次発癌など長期的な副作用に鑑みると,成人で推奨されている総投与量や治療回数,治療間隔は,小児にとって必ずしも適切ではない。治療を計画する際は,患者・家族に中長期的な影響も含めたリスクについて十分に説明し,適切な経過観察を行う必要がある。本項では,American Thyroid Associationの制定したガイドラインを中心に,小児の甲状腺癌患者における,放射性ヨウ素内用療法の基本的な適応や手順,注意点について記載する。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.38.3_180