Marine-Lenhart症候群(MLS)の1例

【はじめに】Marine-Lenhart症候群は,Basedow病とPlummer病の2つの異なる病態が併存する疾患である。今回われわれは,甲状腺腫瘍の経過観察中に甲状腺機能亢進症を指摘され,各画像所見からMarine-Lenhart症候群の診断となった1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。 【症例】69歳女性。20年以上前に左甲状腺腫瘍の指摘があったが,細胞診で良性の結果で経過観察となっていた。健康診断で甲状腺機能亢進を指摘され,近医耳鼻咽喉科を受診。エコーで左葉に結節を認め,free T3およびfree T4が高値だったため,Plummer病の疑いで精査加療目的に当科紹介初...

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Published in頭頸部外科 Vol. 34; no. 1; pp. 99 - 103
Main Authors 岸部, 幹, 宮越, 薫, 大原, 賢三, 熊井, 琢美, 林, 達哉, 高原, 幹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2024
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.34.99

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Summary:【はじめに】Marine-Lenhart症候群は,Basedow病とPlummer病の2つの異なる病態が併存する疾患である。今回われわれは,甲状腺腫瘍の経過観察中に甲状腺機能亢進症を指摘され,各画像所見からMarine-Lenhart症候群の診断となった1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。 【症例】69歳女性。20年以上前に左甲状腺腫瘍の指摘があったが,細胞診で良性の結果で経過観察となっていた。健康診断で甲状腺機能亢進を指摘され,近医耳鼻咽喉科を受診。エコーで左葉に結節を認め,free T3およびfree T4が高値だったため,Plummer病の疑いで精査加療目的に当科紹介初診となった。当院での採血でTRAbが陽性であり,CTやエコーでは甲状腺左葉に最大径32mmの充実性腫瘤を認めた。同腫瘤の穿刺吸引細胞診では悪性所見は認めなかった。I123シンチグラフィーでは甲状腺左葉腫瘍に集積を認め,それ以外の甲状腺実質にも淡い集積を認めた。以上からMarine-Lenhart症候群と診断し,甲状腺全摘術を施行した。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.34.99