頰部に生じた結節性筋膜炎の1症例 細胞検体を用いた確定診断への展望

【はじめに】結節性筋膜炎は悪性腫瘍との鑑別を要する良性腫瘍性病変である。組織検体でUSP6遺伝子再構成がみられることが報告されているが,今回細胞診検体においてUSP6遺伝子再構成をはじめて検出し得た,頰部結節性筋膜炎を報告する。 【症例】37歳女性。頰部腫瘤の精査目的に受診した。悪性腫瘍の可能性も考慮され,確定診断かつ治療目的に手術を行った。病理学的には,紡錘形細胞が束状に増殖し,リンパ球浸潤が随伴していた。FISHでは切除組織に加え細胞診検体でもUSP6遺伝子の再構成が検証され,結節性筋膜炎の診断となった。 【結語】結節性筋膜炎を考慮する症例では術前細胞診検体でのUSP6遺伝子再構成の検索も...

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Published in頭頸部外科 Vol. 33; no. 1; pp. 79 - 84
Main Authors 蝦原, 康宏, 井上, 準, 菅澤, 正, 加藤, 光彦, 中平, 光彦, 川崎, 朋範, 金本, 開, 松村, 聡子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2023
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.33.79

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Summary:【はじめに】結節性筋膜炎は悪性腫瘍との鑑別を要する良性腫瘍性病変である。組織検体でUSP6遺伝子再構成がみられることが報告されているが,今回細胞診検体においてUSP6遺伝子再構成をはじめて検出し得た,頰部結節性筋膜炎を報告する。 【症例】37歳女性。頰部腫瘤の精査目的に受診した。悪性腫瘍の可能性も考慮され,確定診断かつ治療目的に手術を行った。病理学的には,紡錘形細胞が束状に増殖し,リンパ球浸潤が随伴していた。FISHでは切除組織に加え細胞診検体でもUSP6遺伝子の再構成が検証され,結節性筋膜炎の診断となった。 【結語】結節性筋膜炎を考慮する症例では術前細胞診検体でのUSP6遺伝子再構成の検索も検討される。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.79