当科における耳下腺良性腫瘍の術後合併症の検討 術後顔面神経麻痺を中心に
耳下腺手術の合併症には,顔面神経麻痺・Frey症候群・唾液瘻等があり,特に顔面神経麻痺はQOLに直結する注意すべき合併症である。当科で2012年4月から2020年6月に手術を施行した耳下腺腫瘍350例のうち,良性腫瘍の新鮮例273例を対象として術後合併症につき検討した。術後合併症は顔面神経麻痺が18例,唾液瘻が13例,Frey症候群が3例であった。前期群と後期群に分けて比較したところ,後期群で合併症の頻度が低かった。顔面神経麻痺を認めた症例の腫瘍の局在は,浅葉が8例,下極が4例・深葉が6例であった。単変量解析では,深葉の場合に麻痺が有意に多い結果であった(p=0.009)。深葉の症例の手術の際...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 33; no. 1; pp. 17 - 22 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2023
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.33.17 |
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Summary: | 耳下腺手術の合併症には,顔面神経麻痺・Frey症候群・唾液瘻等があり,特に顔面神経麻痺はQOLに直結する注意すべき合併症である。当科で2012年4月から2020年6月に手術を施行した耳下腺腫瘍350例のうち,良性腫瘍の新鮮例273例を対象として術後合併症につき検討した。術後合併症は顔面神経麻痺が18例,唾液瘻が13例,Frey症候群が3例であった。前期群と後期群に分けて比較したところ,後期群で合併症の頻度が低かった。顔面神経麻痺を認めた症例の腫瘍の局在は,浅葉が8例,下極が4例・深葉が6例であった。単変量解析では,深葉の場合に麻痺が有意に多い結果であった(p=0.009)。深葉の症例の手術の際は特に顔面神経麻痺に注意する必要がある。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.33.17 |