臨床病期I期肺癌における至適縮小手術の検討―断端距離/腫瘍径比,断端細胞診の意義(KLSG0801副次解析)

肺癌消極的縮小手術前向き研究(KLSG0801)症例を用いて腫瘍局在(TL)別の腫瘍径(TS)と断端距離(MD)の関係,MD/TSおよび切除断端細胞診(MC)と予後の関係を後ろ向きに検討した.TSとMDの関係はTLがLewis分類Easy(n=18)では正の相関を認めたがDifficult(n=14)では認めず,TSが大きくてもMDは十分確保されていなかった.3生率は,MD/TS>1(n=12)では100%,MD/TS≦1(n=20)では59.7%(p=0.06),MC(-)(n=18)では88.1%,MC(+)(n=5)では20%で,MC(+)は有意に予後不良であった(p=0.001).MC...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 32; no. 4; pp. 450 - 457
Main Authors 高橋, 伸政, 中山, 光男, 澤端, 章好, 星, 永進, 坂口, 浩三, 川村, 雅文, 堀尾, 裕俊, 吉谷, 克雄, 金子, 公一, 松谷, 哲行, 大塚, 崇, 千田, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2018
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.32.450

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Summary:肺癌消極的縮小手術前向き研究(KLSG0801)症例を用いて腫瘍局在(TL)別の腫瘍径(TS)と断端距離(MD)の関係,MD/TSおよび切除断端細胞診(MC)と予後の関係を後ろ向きに検討した.TSとMDの関係はTLがLewis分類Easy(n=18)では正の相関を認めたがDifficult(n=14)では認めず,TSが大きくてもMDは十分確保されていなかった.3生率は,MD/TS>1(n=12)では100%,MD/TS≦1(n=20)では59.7%(p=0.06),MC(-)(n=18)では88.1%,MC(+)(n=5)では20%で,MC(+)は有意に予後不良であった(p=0.001).MC,MD/TSは予後規定因子となる可能性がある.MD/TS>1が重要であるが,Lewis分類DifficultではTS以上のMDの確保が困難である可能性がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.32.450