甲状腺穿刺吸引細胞診施行時の針先の位置について

甲状腺腫瘍などにおいて超音波下での穿刺吸引細胞診(Fine Needle Aspiration Cytology: FNAC)は必須の検査であり多くの施設で行われている。腫瘍径が小さな場合は腫瘍への的確な穿刺を超音波画像で確認し,細胞量の確保に努める。しかし,腫瘍が大きい場合は細胞採取部位を腫瘍内のどこに決定すれば良いのか判断に迷う場合も少なくはないと考える。超音波画像,マクロ像,病理組織像を一致させ検討することで超音波特性による腫瘍内のエコーレベルの違いを解説させていただいた。また,それを基に腫瘍内における適切な細胞採取部位とその細胞像,さらに,穿刺の際に陥りやすいピットフォールを述べた。ま...

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Published in日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 Vol. 37; no. 1; pp. 28 - 31
Main Authors 佐々木, 栄司, 福成, 信博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会 2020
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ISSN2186-9545
DOI10.11226/jaesjsts.37.1_28

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Summary:甲状腺腫瘍などにおいて超音波下での穿刺吸引細胞診(Fine Needle Aspiration Cytology: FNAC)は必須の検査であり多くの施設で行われている。腫瘍径が小さな場合は腫瘍への的確な穿刺を超音波画像で確認し,細胞量の確保に努める。しかし,腫瘍が大きい場合は細胞採取部位を腫瘍内のどこに決定すれば良いのか判断に迷う場合も少なくはないと考える。超音波画像,マクロ像,病理組織像を一致させ検討することで超音波特性による腫瘍内のエコーレベルの違いを解説させていただいた。また,それを基に腫瘍内における適切な細胞採取部位とその細胞像,さらに,穿刺の際に陥りやすいピットフォールを述べた。また,近年の超音波機器は微細な腫瘍内血流や組織弾性を評価する機能が付加されている。そのような機能を使用しながらのわれわれの施設で行っている濾胞性腫瘍に対するprospectiveな取り組みの知見を述べさせていただき,適切な細胞採取部位を考えた。
ISSN:2186-9545
DOI:10.11226/jaesjsts.37.1_28