肺切除後のエアリーク量に対するThopaz吸引器(Thopaz™)による定量的評価と従来型持続吸引器による定性的評価の比較

Thopaz吸引器(Thopaz™)は,胸腔ドレナージにおいてエアリーク量を数量的に測定できるデジタルモニタリング式持続吸引器である.今回,肺切除術後のエアリーク量について,Thopaz™による定量的評価と従来型持続吸引器による視覚での定性的評価を前向きに比較した.【方法】対象は2014年7月から11月までの肺切除症例で,エアリーク量を1日2回,従来型では4段階に目視で評価し,同時にThopaz™でも測定した.【結果】従来型による4段階のエアリーク量の程度は,Thopaz™ではそれぞれ平均4,20,63,662 mL/minであった.また,従来型でドレーン抜去が可能と判断した時点のエアリーク量...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 5; pp. 534 - 539
Main Authors 石黒, 太志, 川口, 晃司, 横井, 香平, 谷口, 哲郎, 福本, 紘一, 中村, 彰太, 福井, 高幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.534

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Summary:Thopaz吸引器(Thopaz™)は,胸腔ドレナージにおいてエアリーク量を数量的に測定できるデジタルモニタリング式持続吸引器である.今回,肺切除術後のエアリーク量について,Thopaz™による定量的評価と従来型持続吸引器による視覚での定性的評価を前向きに比較した.【方法】対象は2014年7月から11月までの肺切除症例で,エアリーク量を1日2回,従来型では4段階に目視で評価し,同時にThopaz™でも測定した.【結果】従来型による4段階のエアリーク量の程度は,Thopaz™ではそれぞれ平均4,20,63,662 mL/minであった.また,従来型でドレーン抜去が可能と判断した時点のエアリーク量は,Thopaz™では全例30 mL/min以下であった.【結論】本研究は,エアリーク量の従来型での定性的評価とThopaz™による定量的評価の相関を明示し,Thopaz™の臨床導入に役立つと考える.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.534