孤立性長期心房細動に対するカテーテルアブレーション治療が成功してから1年後の僧帽弁逆流の重症度予測

背景:長期持続性心房細動(LSAF)は,僧帽弁逆流(MR)の増悪因子である。高周波カテーテルアブレーション(RFCA)により洞調律に復帰することで,左心房(LA)と僧帽弁下組織の逆リモデリングを介したMR重症度の軽減が期待される。しかし,RFCAの1年後のMR重症度を予測することは難しい。今回,RFCAを施行後,洞調律が維持された基礎疾患のないLSAF患者で,1年後のMR重症度が予測可能か検討した。方法:RFCA成功1年後のMR重症度予測モデルを作成するため,孤立性LSAF患者50名のRFCAの前,1か月後,および1年後の心エコーデータを解析した。これらのデータを基礎に重回帰分析にて3つの予測...

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Published in医学検査 Vol. 71; no. 4; pp. 617 - 623
Main Authors 春木, 康伸, 櫻井, 聖一郎, 堀田, 大介, 村上, 弘則, 野島, 正寛, Gregory, W. RUHNKE, 大野, 誠子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.10.2022
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.21-114

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Summary:背景:長期持続性心房細動(LSAF)は,僧帽弁逆流(MR)の増悪因子である。高周波カテーテルアブレーション(RFCA)により洞調律に復帰することで,左心房(LA)と僧帽弁下組織の逆リモデリングを介したMR重症度の軽減が期待される。しかし,RFCAの1年後のMR重症度を予測することは難しい。今回,RFCAを施行後,洞調律が維持された基礎疾患のないLSAF患者で,1年後のMR重症度が予測可能か検討した。方法:RFCA成功1年後のMR重症度予測モデルを作成するため,孤立性LSAF患者50名のRFCAの前,1か月後,および1年後の心エコーデータを解析した。これらのデータを基礎に重回帰分析にて3つの予測モデルを作成して予測精度を検討した。結果: RFCA前のLA volume indexとMR重症度,RFCA後1か月の左室駆出率,MR重症度と僧帽弁輪縦横比を用いたモデルが,RFCA 1年後のMR重症度予測に最良であった(感度1.00,特異性0.795)。この予測モデルによるRFCA1年後のMR重症度の予測値と実測値の間(r = 0.732)とRFCA 1年後のMR重症度の予測値変化度と実測値変化度の間(r = 0.822)に非常に良好な相関関係を認めた。結論:RFCAによる洞調律達成1年後のMR重症度予測モデルを,心エコーデータを使用した重回帰分析により作成できた。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.21-114