月経随伴性気胸を契機に発見された原発性肺癌の一切除例

症例は45歳,女性.胸痛と呼吸困難を主訴に近医を受診し,右気胸の診断で当科へ紹介受診.胸腔ドレナージ直後のCTで,気胸とは別に右肺S6に部分充実型結節影を認めた.翌日のCTでも結節影は残存し,原発性肺癌の併存を考え,それぞれを一期的に手術する方針とした.なお,月経期に相当した.胸腔鏡下右肺S6区域切除および肺囊胞切除術を施行した.横隔膜面に裂孔とブルーベリースポットを認め,気漏の原因は中葉S4辺縁のブラであった.病理所見でブラ近傍に異所性間質を伴った上皮を認め,免疫染色でER,PgR,CD10はいずれも陽性であり,月経随伴性気胸と診断した.S6病変は上皮内腺癌 pTisN0M0 stage0で...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 39; no. 5; pp. 399 - 404
Main Authors 日暮 亮太, 都島 由紀雄, 伊藤 祥隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器外科学会 15.07.2025
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.39.399

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Summary:症例は45歳,女性.胸痛と呼吸困難を主訴に近医を受診し,右気胸の診断で当科へ紹介受診.胸腔ドレナージ直後のCTで,気胸とは別に右肺S6に部分充実型結節影を認めた.翌日のCTでも結節影は残存し,原発性肺癌の併存を考え,それぞれを一期的に手術する方針とした.なお,月経期に相当した.胸腔鏡下右肺S6区域切除および肺囊胞切除術を施行した.横隔膜面に裂孔とブルーベリースポットを認め,気漏の原因は中葉S4辺縁のブラであった.病理所見でブラ近傍に異所性間質を伴った上皮を認め,免疫染色でER,PgR,CD10はいずれも陽性であり,月経随伴性気胸と診断した.S6病変は上皮内腺癌 pTisN0M0 stage0であった.月経随伴気胸をはじめとする気胸疾患においても,併存疾患を見落とさないように術前CTを精読することが大切である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.39.399