Hybrid emergency room system(HERS)構築のための当院での取り組み

〔要旨〕当院は2014年9月にHybrid ER(HER)の運用を開始した。当院の特色に合うHER system(HERS)を構築する必要があり,院内HERS研究会を立ちあげ,多職種でシステム構築に関して議論してきた。まずトラウマコードを策定し,病院前情報が基準に合う場合,院内外のスタッフ参集を開始した。次に,受け入れ時の物品と薬剤のセット化を行い,スタッフの配置や役割分担を明確化した。患者到着後は,primary surveyのAのみ確認しpan-scan CTを撮像し,損傷部位を確認しB移行の方針を決定している。月に一度の院内HERS研究会で症例の振り返りを行い,適切な初期対応ができていた...

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Published inJapanese Journal of Acute Care Surgery Vol. 13; pp. 151 - 156
Main Authors 江口, 大樹, 倉田, 秀明, 梅澤, 耕学, 徳丸, 哲平, 榮福, 亮三, 冨岡, 譲二, 葉山, 雄大, 朝沼, 杏子, 米盛, 公治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本Acute Care Surgery 学会 2023
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ISSN2436-102X
DOI10.50840/jjacs.13-19

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Summary:〔要旨〕当院は2014年9月にHybrid ER(HER)の運用を開始した。当院の特色に合うHER system(HERS)を構築する必要があり,院内HERS研究会を立ちあげ,多職種でシステム構築に関して議論してきた。まずトラウマコードを策定し,病院前情報が基準に合う場合,院内外のスタッフ参集を開始した。次に,受け入れ時の物品と薬剤のセット化を行い,スタッフの配置や役割分担を明確化した。患者到着後は,primary surveyのAのみ確認しpan-scan CTを撮像し,損傷部位を確認しB移行の方針を決定している。月に一度の院内HERS研究会で症例の振り返りを行い,適切な初期対応ができていたか各職種で共有している。HERで受け入れを行った症例のデータベースを作成し,日本外傷データバンクとひもづけている。今後は「防ぎ得た外傷死」の回避を行えているかの検証と,明らかになった問題点をHERSに組み込み,よりよい外傷診療を目指したい。
ISSN:2436-102X
DOI:10.50840/jjacs.13-19