重度脳性麻痺児(者)における視機能評価方法

本研究は、評価の難しい重度脳性麻痺児(者)の視機能評価方法を検討することを目的とした。施設入所の24例を対象に9項目の簡便かつ汎用的な方法を用いて視反応の状態を3段階で評価し、クラスター分析を用いて結果を検討した。対象児(者)の視機能は、光覚反応と対光反射の有無による「G1. 視反応(-)群」および「G2. 光覚反応群」、片眼遮閉による視野の妨げに対して回避反応を示す「G3. 回避反応・注視・追視群」、周辺への注意の移動能力がみられる「G4. 瞥見視野反応群」、縞視標の弁別可能な「G5. 縞視標反応群」と、4つの評価項目により5群に分類できることが判明した。いずれの評価項目も特別な手技の習得や...

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Published in特殊教育学研究 Vol. 55; no. 3; pp. 123 - 132
Main Authors 小町, 祐子, 新井田, 孝裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本特殊教育学会 2017
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ISSN0387-3374
2186-5132
DOI10.6033/tokkyou.55.123

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Summary:本研究は、評価の難しい重度脳性麻痺児(者)の視機能評価方法を検討することを目的とした。施設入所の24例を対象に9項目の簡便かつ汎用的な方法を用いて視反応の状態を3段階で評価し、クラスター分析を用いて結果を検討した。対象児(者)の視機能は、光覚反応と対光反射の有無による「G1. 視反応(-)群」および「G2. 光覚反応群」、片眼遮閉による視野の妨げに対して回避反応を示す「G3. 回避反応・注視・追視群」、周辺への注意の移動能力がみられる「G4. 瞥見視野反応群」、縞視標の弁別可能な「G5. 縞視標反応群」と、4つの評価項目により5群に分類できることが判明した。いずれの評価項目も特別な手技の習得や視覚専門職による評価を必要とせず、簡便に対象児(者)の視機能の状態を把握・分類することが可能であるため、療育支援介入における視覚の活用の可否や介入方法の選択に有効であると考えられた。
ISSN:0387-3374
2186-5132
DOI:10.6033/tokkyou.55.123