ポータブル型胸腔ドレナージ装置(トパーズ)の臨床使用試験
ポータブル型胸腔ドレナージ装置Thopaz®(トパーズ)は,小型の組込吸引器を備える完結型システムで,エアリークを定量化して記録することが可能である.今回,トパーズの安全性および有効性を検討した.方法:①肺切除30例でトパーズを使用し安全性を検討した.②従来の胸腔ドレナージ装置群30例とトパーズ群30例で,歩数計を用いた離床状況,ドレーン抜管までの期間を比較した.結果:①安全性:10例で術直後に10~620 ml/分のエアリークを認めたが,ドレナージ不良による有害事象は認めなかった.医療従事者は使用開始6ヵ月後には概ね使用法を習得していた.②有効性:両群の背景因子,術式に差を認めず,術後1~3...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 27; no. 2; pp. 120 - 126 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2013
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.27.120 |
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Summary: | ポータブル型胸腔ドレナージ装置Thopaz®(トパーズ)は,小型の組込吸引器を備える完結型システムで,エアリークを定量化して記録することが可能である.今回,トパーズの安全性および有効性を検討した.方法:①肺切除30例でトパーズを使用し安全性を検討した.②従来の胸腔ドレナージ装置群30例とトパーズ群30例で,歩数計を用いた離床状況,ドレーン抜管までの期間を比較した.結果:①安全性:10例で術直後に10~620 ml/分のエアリークを認めたが,ドレナージ不良による有害事象は認めなかった.医療従事者は使用開始6ヵ月後には概ね使用法を習得していた.②有効性:両群の背景因子,術式に差を認めず,術後1~3日目の歩行数はトパーズ群で多かった.ドレーン抜去は,トパーズ群で平均2.8日,従来群で5.0日であり前者で短かった.結論:肺切除後にトパーズを安全に使用でき,早期離床を促す可能性がある. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.27.120 |