当院での深頸部膿瘍症例の検討 特に気道確保を要した症例について

• Published in: 頭頸部外科 Vol. 33; no. 1; pp. 1 - 8
• Main Authors: 山本, 佳史, 石原, 修, 谷田, 将志, 藤見, 聡, 森, 将史, 宇野, 敦彦, 名古, 周平, 伊藤, 理恵
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2023
• Subjects: 切開排膿; 気管切開; 気管挿管; 深頸部感染症; 経皮的ドレナージ
• ISSN: 1349-581X; 1884-474X
• DOI: 10.5106/jjshns.33.1

当院での深頸部膿瘍256例について，45％を耳鼻咽喉科頭頸部外科が，36％を歯科口腔外科が診療を担当した。気道確保を要した36例（14％）は，救急診療科と耳鼻咽喉科頭頸部外科が担当した。気道確保群は年齢層が高く，複数の頸部筋膜間隙に及ぶ例が多く，Streptococcus anginosus類の検出が多かった。気道確保には気管挿管（23例）と気管切開（13例）があったが，両者の抜管までの日数に有意差はなかった。気道確保群での排膿法は経皮的ドレーン留置と切開排膿があったが，入院日数に有意差はなかった。気道確保と排膿の方法は，いずれの方法にも利点があり，時期を逸することなく行うことが重要である。