慢性的な下肢の重感・張り感・力が入りづらい症状に対する円皮鍼の効果 シングルケースデザインによる検討
【目的】円皮鍼を下肢に貼付することでウォーキング中やその後の日常生活での脚の重い感覚・脚の張る感覚・脚の力が入りづらいという症状の主観的評価に及ぼす効果を円皮鍼と sham を用いて比較検討した。 【方法】被験者は毎日 10,000 歩のウォーキングを日課としていて、 ウォーキング中や日常生活動作において慢性的に脚の重い感覚や脚の張る感覚そして脚の力が入りづらいという症状を呈し、 脊椎疾患や内科的疾患を有している 70 代の男性 1 名である。 介入:全 10 回とし、 ランダムに円皮鍼または sham を 2 日間貼付し円皮鍼貼付前と当日夜と翌日夜に下肢の主観的評価に関するアンケートを記入し...
Saved in:
| Published in | 全日本鍼灸学会雑誌 Vol. 63; no. 4; pp. 276 - 283 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
社団法人 全日本鍼灸学会
2013
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0285-9955 1882-661X |
| DOI | 10.3777/jjsam.63.276 |
Cover
| Summary: | 【目的】円皮鍼を下肢に貼付することでウォーキング中やその後の日常生活での脚の重い感覚・脚の張る感覚・脚の力が入りづらいという症状の主観的評価に及ぼす効果を円皮鍼と sham を用いて比較検討した。 【方法】被験者は毎日 10,000 歩のウォーキングを日課としていて、 ウォーキング中や日常生活動作において慢性的に脚の重い感覚や脚の張る感覚そして脚の力が入りづらいという症状を呈し、 脊椎疾患や内科的疾患を有している 70 代の男性 1 名である。 介入:全 10 回とし、 ランダムに円皮鍼または sham を 2 日間貼付し円皮鍼貼付前と当日夜と翌日夜に下肢の主観的評価に関するアンケートを記入してもらった。 介入部位は症状の部位や圧痛を考慮して両側の下肢の合計 10 ヵ所とした。 評価:下肢の各症状の主観的評価アンケートは Visual Analog Scale (VAS) を用いた。 記入は 1 回の介入で 3 回、 全 10 回の介入プログラムで計 30 回記録し、 当日夜と翌日夜それぞれの円皮鍼条件と sham 条件との差をランダマイゼーション検定 (R 検定) を用いて解析した。 【結果】下肢の重感についての主観的評価は、 翌日夜の円皮鍼条件に対する sham 条件は R 検定の結果、 有意差が認められた (P <0.05)。 下肢の張り感についての主観的評価は、 翌日夜の円皮鍼条件に対する sham 条件は R 検定の結果、 有意差が認められた (P <0.05)。 【結論】下肢の重い感覚、 下肢が張る感覚を呈する患者に対して円皮鍼を 2 日間留置することで、 脊椎疾患や肝機能疾患、 下腿静脈瘤等の疾患を保有している者に対しても症状軽減効果に円皮鍼が有効であることを示唆している。 |
|---|---|
| ISSN: | 0285-9955 1882-661X |
| DOI: | 10.3777/jjsam.63.276 |