表皮ケラチノサイトに対する β-glucan の影響—リラナフタートの抗炎症作用

培養表皮ケラチノサイトをトリコフィチン液で刺激すると、IL-1α と IL-8 の産生が亢進することを第 48 回日本医真菌学会総会で報告した。今回われわれは、β-glucan がケラチノサイトに与える影響について検討した。 正常ヒト表皮ケラチノサイトを培養し、培養液中に β-glucan を加え刺激した。結果、IL-1α, IL-8 の産生は亢進したが、Th1 ケモカインである Mig および Th2 ケモカインである MDC の産生には影響を与えなかった。また、Toll-like receptor 2 の mRNA の発現が亢進し、フローサイトメトリー解析でも検出した。これらの結果より、ケ...

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Published in日本医真菌学会総会プログラム・抄録集 p. 126
Main Authors 戸倉, 新樹, 小林, 美和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医真菌学会 2005
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ISSN0916-4804
DOI10.11534/jsmm.49.0.126.0

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Summary:培養表皮ケラチノサイトをトリコフィチン液で刺激すると、IL-1α と IL-8 の産生が亢進することを第 48 回日本医真菌学会総会で報告した。今回われわれは、β-glucan がケラチノサイトに与える影響について検討した。 正常ヒト表皮ケラチノサイトを培養し、培養液中に β-glucan を加え刺激した。結果、IL-1α, IL-8 の産生は亢進したが、Th1 ケモカインである Mig および Th2 ケモカインである MDC の産生には影響を与えなかった。また、Toll-like receptor 2 の mRNA の発現が亢進し、フローサイトメトリー解析でも検出した。これらの結果より、ケラチノサイトは β-glucan の刺激により、炎症反応を惹起することがわかった。 近年、抗真菌薬が有する免疫抑制作用が報告されている。これらの薬剤は抗菌作用に加え抗炎症作用を持つことで皮膚真菌症により良い治療効果をもたらし、他の皮膚疾患にも有効であることが示唆されている。そこでわれわれは、今回の実験系を用い、リラナフタートの抗炎症作用についても検討した。
Bibliography:P-86
ISSN:0916-4804
DOI:10.11534/jsmm.49.0.126.0