さまざまな症状にて発症した膝窩動脈瘤6例7肢の治療経験

症候性膝窩動脈瘤を6例7肢経験し,全例で救肢に成功し得たので報告する.6例中2例は破裂で発症し,2例は急性閉塞,残る2例は間歇性跛行と末梢塞栓症状にて発症した.破裂症例と急性閉塞症例は緊急手術となり,他の2例は予定手術を行った.到達法は動脈瘤の位置を術前評価することにより決定し,3例は内側,3例は後方アプローチにて行った.術式は仮性動脈瘤の破裂症例のみ修復にて対処したが,他の5例は全例で人工血管置換術を行った.血栓が瘤を越えて末梢まで広がっていた場合は,血栓除去も同時施行した.両側性の1例は両側同時手術を行った.全例で術後経過は良好であった.膝窩動脈瘤は症候性に発見されることが多く,迅速な診断...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本血管外科学会雑誌 Vol. 19; no. 4; pp. 573 - 577
Main Authors 藤村, 博信, 黒瀬, 公啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 2010
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0918-6778
1881-767X
DOI10.11401/jsvs.19.573

Cover

More Information
Summary:症候性膝窩動脈瘤を6例7肢経験し,全例で救肢に成功し得たので報告する.6例中2例は破裂で発症し,2例は急性閉塞,残る2例は間歇性跛行と末梢塞栓症状にて発症した.破裂症例と急性閉塞症例は緊急手術となり,他の2例は予定手術を行った.到達法は動脈瘤の位置を術前評価することにより決定し,3例は内側,3例は後方アプローチにて行った.術式は仮性動脈瘤の破裂症例のみ修復にて対処したが,他の5例は全例で人工血管置換術を行った.血栓が瘤を越えて末梢まで広がっていた場合は,血栓除去も同時施行した.両側性の1例は両側同時手術を行った.全例で術後経過は良好であった.膝窩動脈瘤は症候性に発見されることが多く,迅速な診断と治療を行わないと大切断に至ることもある.適切な治療方針の決定が必要である.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.19.573