新規分子標的薬時代における真菌症マネージメント

近年,分子標的薬,抗体医薬,免疫細胞療法など多種類の新規薬剤の登場により,造血器腫瘍患者の治療成績は向上しつつある。さらに新規治療薬を従来の化学療法や同種移植に組み込んだ新たなプラットフォームの構築が進んでいるが,多くの薬剤を同時に使用するため,薬物間相互作用に留意する必要がある。特に抗真菌薬トリアゾールはCYP阻害作用があるため,CYPの基質である免疫抑制剤,抗がん剤,新規薬剤等と併用した場合にはそれらの薬理作用を増強し,強い毒性が生じる。併用する各薬剤の薬理動態,CYP阻害強度を把握して,投与量の調節や併用開始時期・中止時期を決定することが重要である。...

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Published in日本造血・免疫細胞療法学会雑誌 Vol. 14; no. 2; pp. 48 - 56
Main Authors 宮本, 敏浩, 森, 康雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本造血・免疫細胞療法学会 2025
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ISSN2436-455X
DOI10.7889/tct-24-020

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Summary:近年,分子標的薬,抗体医薬,免疫細胞療法など多種類の新規薬剤の登場により,造血器腫瘍患者の治療成績は向上しつつある。さらに新規治療薬を従来の化学療法や同種移植に組み込んだ新たなプラットフォームの構築が進んでいるが,多くの薬剤を同時に使用するため,薬物間相互作用に留意する必要がある。特に抗真菌薬トリアゾールはCYP阻害作用があるため,CYPの基質である免疫抑制剤,抗がん剤,新規薬剤等と併用した場合にはそれらの薬理作用を増強し,強い毒性が生じる。併用する各薬剤の薬理動態,CYP阻害強度を把握して,投与量の調節や併用開始時期・中止時期を決定することが重要である。
ISSN:2436-455X
DOI:10.7889/tct-24-020