健常者における尋常性痤瘡に関与するCutibacterium acnesの検出状況および疫学的調査

尋常性痤瘡(ニキビ)は,90%以上の人が経験する一般的な疾患であり,角化異常および皮脂分泌の亢進などにより,Cutibacterium acnes(C. acnes)が増殖した結果,引き起こされる慢性炎症性疾患である。外見へ影響があるため,感情面での生活の質(QOL)への影響が大きい。本研究では,健常人におけるニキビ治療の実態把握やC. acnesの年代別保有状況を疫学的に調査,分析を行うことを目的とした。10代19名,20代20名,30代20名,40代20名の計79名を対象に,検体採取を行った後に,質問表式調査法による調査を行った。両頬におけるC. acnesの検出率は全体で82.3%であっ...

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Published in医学検査 Vol. 68; no. 2; pp. 339 - 346
Main Authors 古谷, 信彦, 天野, 宏敏, 細井, 淳裕, 眞野, 容子, 原澤, 彩貴, 藤谷, 克己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会 25.04.2019
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ISSN0915-8669
2188-5346
DOI10.14932/jamt.18-91

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Summary:尋常性痤瘡(ニキビ)は,90%以上の人が経験する一般的な疾患であり,角化異常および皮脂分泌の亢進などにより,Cutibacterium acnes(C. acnes)が増殖した結果,引き起こされる慢性炎症性疾患である。外見へ影響があるため,感情面での生活の質(QOL)への影響が大きい。本研究では,健常人におけるニキビ治療の実態把握やC. acnesの年代別保有状況を疫学的に調査,分析を行うことを目的とした。10代19名,20代20名,30代20名,40代20名の計79名を対象に,検体採取を行った後に,質問表式調査法による調査を行った。両頬におけるC. acnesの検出率は全体で82.3%であった。また検出率における年代および性別間では差が認められず,年代・性別を問わずC. acnesを保有していた。ニキビに対する対処法として,全体では洗顔をするが50.0%と最も多かったが,何もしないが16.4%であった。発症時期(自覚した時)は10代に最も多く認められた。治療を始めた理由として全体では,ニキビ痕が残ることが心配になった,人からの目が気になった,の2つが多く半分以上を占めていた。ニキビに関して,全体ではとくに関心をもっていないが最も多く,特に30代と40代で顕著であった。
ISSN:0915-8669
2188-5346
DOI:10.14932/jamt.18-91